世界地図ならともかく
日本地図は誰の頭の中にも
自然に頭の中に入っているものだと思っていた
彼女の発言を聞くまでは
信じられない様な実話である
しかも身内と言う二重のショック
彼女は23歳
仕事先から鹿児島へ3泊4日の研修を言い渡され
24日に伊丹空港まで送っていく
鹿児島のホテルや研修先をパソコンで確認し
メモを取っていた
2泊目の夜の彼女
大変な事を知って物凄く落ち込んでいると言う
たった一人の鹿児島での滞在
ベッドの下に死体が転がっていそうな古いホテル
恐怖からテレビをつけっ放しで友人に電話をしていた
「天気予報やってるけど 沖縄とか石垣島とか
沖永良部とかの天気までやってる」
「ま 沖永良部は一応鹿児島やしなぁ」
「えっ・・・・
鹿児島って本州ちゃうん?
鹿児島って九州なん?」
聞かれた友達も意味が分かる訳がない
そして何がショックなのかと言えば
家まで陸続きでない
何かあった時にすぐに帰る事が出来ない
そんな途方も無い場所に自分がいる
そう思うとショックで泣けてきたと言うのである
研修先を鹿児島と聞いた時点で
彼女の頭には「広島」とインプットされたと言うのである
飛行機に乗ろうが現地に着こうが
頭は「広島」のままいたそうである
世の中には信じられない様なホントの話があるのだ
そう言えば研修が決まった直後
「鹿児島って山口県の近く?」と聞いたことがあった
意味が分からず無視をしたが
彼女は真剣だったのだ
神様が私に一つくらい欠点がないと完璧過ぎるから
地理を覚える部分を削らはったんやわ
とは彼女の弁である