友人の連れ合いの兄は美容師をしている
その兄の話である
空きの時間にテレビのニュースを見ていたら
盗んだ自動車で警察の検問を突破し逃走中とあり
その車が映った
オレと同じ車やんとその時思った
盗まれた人は気の毒にと思った
兄の車は限定車で
どこかの部分が同車種と少し違うそうである
その後犯人を追い詰めた警察に発砲し
反撃した警察に射殺されたと報道された
その時また車が映った
よく見るとその車も限定車であった
場所も自宅からさほど離れてはいない
そんなはずはないとは思いながら
ヨメに「車あるか見てくれ」と電話をかけた
マンションの駐車場を見に行ったヨメの答えは
「ないよ」である
オレの車やん
警察に電話をし
ニュースで報道されてる車が自分のであると伝えるが
今それどころではないと言う対応で
追って連絡すると言われた
警察から連絡が入りこちらに来るように言われる
案内された車の前で
必要なモノは持って帰ってくれと言われドアを開けられた
犯人は頭部を打ち抜かれたそうである
車の内部はその頭部の飛び散った肉片と血で見るも無残な姿であり
おまけに凄まじい臭いであったそうである
「何も要りません」と答えると
「CDとか要らないんですか?」と聞かれたそうである
肉片と悪臭でデコレーションされたCDを
要らないのかと聞く警察もユニークである
保険会社の人間も車の内部を見て
即座に「全損です」と言ったそうである
自分が見ているニュースに盗まれた自分の車が映る
漫画みたいな話である