人生は顔に出る
初めからいけ好かない感じがした
知人の職場の男性がウチで麻雀をしたいと言ってきた
連れ合いが一日かけて掃除をし
夕食を用意しビールも買ってきた
彼は45歳
プログラマーである
入って来た彼はきちんとした挨拶も出来ず
犬にもサルにも一切の興味を示さず
笑顔さえも作らない
社交辞令を持ち合わせていないのは職種が所以か
持って生まれた性格か
挙句の果てに車からCDを持って来て
ZARD」と「今井美樹」をかけても良いかと聞いてきた
さすがにそれはお断りした
私の精神が崩壊し麻雀どころではなくなるからだ
コーヒーを入れて
何か入れますかと聞けば
「何にもいれません
あ 何にも入れないからと言って
カップだけ出すのはやめてくださいね」と言った
彼なりの冗談のつもりであったのだろう
頭からコーヒーをかけてやりたいと本気で思った
麻雀は家々でルールが異なる
我が家のルールを説明すると
私の知らない言葉が彼の口からぽんぽんと出てくる
俗語で話されても分からないので
分かる言葉でお願いしますと言うと無視をされた
結局彼は私と連れ合いに負けた
「やっぱりこの雰囲気は馴染めませんわ」
と捨て台詞を置いて帰って行った
私から頼んだ訳ではない
向こうに頼まれて初対面の男の相手をしてやったのである
第一印象は大事である
私が持ったいけ好かない印象は間違いではなかった