怒りを持続させる事は非常に難しい
あれ程迄の怒りが嘘の様に
もうどうでもよくなってしまっている
旅行会社からまた電話があった
前の電話から一週間経っている
この時間の空け方は意図的なものであろう
内容は前回と全く同じである
申し訳なく思っている
しかし会社として出来る事は個人へのお詫びの手紙迄である
それだけ
行き掛かり上
旅行会社が上海空港のトランジットのシステムが
変更されている事すら知らなかった
ダブルブッキングについても予測で行動していた
添乗員が途中で消えた
これらは社会的な責任を負うべき事であり
個人への謝罪で済まされる事ではないと言った
しかし言いながらバカバカしくなっている自分がいる
この件を訴訟に迄持って行こうと思えば
物凄い体力と気力とそして何よりも経済的な力が必要となる
あの渦中にいる時の私はその覚悟でいた
企業として許されるものではない
どんな手段でも使ってやる
そんな怒りが体中渦巻いていた
この怒りは何時までも持続するものと思っていたからだ
しかし今の私はどうだ
もう電話の対応すら煩わしくなっているのである
あんなに戦後民主主義を非難しておきながら
あれ程の義憤を発散させておきながらこのていたらくである
他人を批判する資格など私には無い
批判されるべくは自分であり他の誰でも無い
自己嫌悪に加速度がつき三度のメシもおかわりが出来ない
ちっぽけでくだらない
空っぽで薄っぺらい
そんな自分につくづく嫌気がさす