入院して私に迷惑を掛け倒した罪の意識からか
退院の翌日にも拘らず
京都へ行こうと連れ合いが言い出した
情けない程安い贖罪である
本人が言うのだから大丈夫なのかと聞く必要も無いだろうと
曼殊院 詩仙堂 金福寺 円光寺 八大神社と歩き倒した
それも全部山道である
23日間寝てばかりいた為に筋肉は無くなるわ
体力も無いわでいきなり山歩きは無謀である
案の定 帰りは死に掛けていた
洛北を歩くゾンビとして新聞に載るかもしれない
私が言い出したのではない 言い出したのは連れ合いである
高島屋のレジで並んでいると隣に見たことのある老人がいた
昨年「情熱大陸」で見た料亭「京都『菊乃井』の大女将である
年齢は70前後で背が低く小太りだが 着ている服はいかにも高級
化粧は完璧 眉毛なんて美空ひばり並に整えてあった
そしてバカでかい宝石のイヤリング セットしてまっせの髪
誰が見ても一目で素人でないのは分かる
眼光鋭く海千山千女将そのものである
彼女に敵はいないだろう そんな勇気のあるヤツはいるはずがない
そんなオーラがばんばん出ていた
あんな年寄りになりたい