小学6年の時に同じクラスに斎藤さんという女の子がいた
女の子と言うよりも女の人と呼びたい いや絶対年ごまかしてる
そんなしっかりがっちり背が高い子であった
学級委員をいつもやっていた記憶がある
卒業間近の帰り道 並んで歩いていた
「○○さん(私の事)は将来ストリッパーになると思う」
と突然言ったのである
自分の将来がストリッパーだと言われた事よりも
しっかり者で学級委員の彼女の口からストリッパーと言う言葉が
普通に出て来た事の方が驚きであった
斎藤さんがストリッパーと言った
私は教室で裸になって踊った事もなければ
ストリッパーに憧れてるなんて事も言った覚えはない
子供心に一条さゆりの存在は知ってはいたが
そんな話題を学校で話した事もない
とにかく小学6年生の私の生活はストリッパーとは無縁であった
それなのに何故彼女は私がストリッパーになるなんて言ったのか
理由を聞いても「そんな気がする」としか言わない
それから私の脳みそはストリッパーと言う言葉が占め
俄然ストリッパーに興味を持ち始めたのである
段々その意識はエスカレートし
もしかしたら私は本当にストリッパーになるかも知れないと思い始めた程である
服を脱ぐ時にストリッパーならこう脱ぐんじゃないかと一人で研究もした
パンツを脱いで放り投げる事もした
彼女のたった一言が私をここまでにしたのである
しかし私の脳みそを独占していたストリッパーへの道も年を追う毎に減って行き
いつの間にかつまらない大人になっていた
鶯谷ミュージックホールへ就職する事もすっかり忘れて
私と彼女は区域が違う為に別々の中学になった
だからその後彼女とはその話しをした事はない