一昨年の春先に姫路城の庭園 好古園に行った
9つの庭園を見て歩いたその時
急に連れ合いが
「あんたの木がある」
と私を呼んだ
普段恥ずかしくて言えない様な事を
木に例えて言おうとしているのか
美しい庭園を見て ロマンチックな気分になったのか
やっと私の美しさに気付いたのか
ドラマのヒロインになったつもりで連れ合いの所に行った
ヒロインは笑顔である
「ほら」と指差す連れ合い
その指差された木に架かっていたプレートには
「エゴの木」
と書かれてあった
もちろん連れ合いはその場で私に張り倒された
しかしそのエゴの木は私好みの枝振りで葉の形も美しい
その後 植木屋にエゴの木を注文した
小さかったエゴの木は大きくなり美しい葉が茂っている
そして庭園で見た木は葉だけであったのに
今 小さな小さな花をつけている
薄桃色の小さなそれは謙虚に可憐にそっと咲いている
私の木である