私は健康器具に非常に弱い
コンプレックスの塊である肉体を持つ者の宿命なのだと思う
過去に買っては捨てるを何度繰り返してきたであろうか
大枚をはたいて購入したルームサイクル
早い話が自転車漕ぎである
購入後何日かで洋服掛けと成り果てた
そしてそれを見ない様に心掛けた
罪悪感を感じないためには
あれを自転車と思ってはいけないのである
服を何枚も掛けて見えない様に努力をした
自転車を漕ぐ努力はとっくの昔に捨てている
その後その洋服掛けにつまづいて小指をしたたかぶつけ
こんな物を買った自分を呪いに呪った
置いていたって邪魔になるだけの代物となったその自転車は
数日後大型ゴミとして捨てた
捨てるモノを何で買うのかと連れ合いに言われたが
初めから捨てると判ってたら買う訳ないがな
あほちゃうかと言うと溜息をついてうな垂れていた
ルームステッパーなるモノも部屋の隅で埃まみれになっている
ピリピリするだけで全く効果の無かった
アブフレックスだって探せば何処かにある
ぶら下がり健康器もある
ダンベルにも手を染めチューブも買った
トランポリンもあったよなぁ 捨てたけど
そして先日もう何台目かの腹筋台を通販で購入した
毎度思うこれなら続けられると言う意志が私に申し込ませるのである
インターホンが鳴り 
「奥さーん ダイエットの届いてるよ ダイエットの」
と馴染みの宅配便のおじさんが
1キロ先でも聞こえる様な大きな声で叫ぶ
あまりの恥ずかしさにダッシュで取りに行く
おじさんはまた言う「ダイエットのやね これ」と
何でバレてんねん
見ればレオタード姿の金髪女性がその器具を持って
にっこり微笑んでいる写真が大きく載った箱は
プチプチのシートで包まれているだけである
もう丸見え
おじさんもおじさんである
思った事を口に出していたらサラリーマンならクビでっせ
人間気配りを忘れてはおしまいではないか
見て見ぬ振りを必須アイテムにすると感謝されますよ おじさん
「はい 頑張ります」と半笑いでハンコを押した
今その大きな腹筋台を視野に入れない様に努力している私である