読んだ本は捨てている
置き場所が無いからである
しかし捨てられない本がある
パトリシア・ハイスミス
一番好きな作家である
彼女の本だけは何度も読み返す
彼女の主人公に対する容赦の無さは底なしで理不尽な程である
読み手の気分を何処までも何処までも落ち込ませてくれる
主人公の優柔不断が端を発し坂道を転がる様に転落していく
もう少し上手く生きられないものかとイライラさせられ
バカじゃないのアンタと突っ込まずにはおられない
そして最悪の状態で終わるのがパターンである
あと味の悪さは人後に落ちない
彼女が死んで久しいが後年の作品は好きではなかった
人間が丸くなってきたのか
容赦無い展開は過去のモノとなり主人公のバカっぷりが控えめで
狂気のレベルを格段に下げた面白みの無い作品となった
年をとるとはこういう事かと悲しくなった