若い頃は劣等感の塊だった
聞かれれば即座に100は言える程のコンプレックスを抱えていた
上は髪の毛や頭の形
下は足の指に至るまでコンプレックスであった
全てのパーツがコンプレックスだったのである
例えば手
甲が大きく指が短い
おまけに爪が丸い
気にするなと言う方が無茶である
女でこの手は致命傷だ
中学の時に同級生からお百姓さんの手みたいと言われた
ガラスの青春時代にである
マニキュアとは無縁の人生を送って来た
口に手を当てて驚くポーズも取った事はない
コンプレックスが多いと仕草も制約されるのである
オーバーアクションとは無縁の人生だ
しかしある時雑誌でカトリーヌ・ドヌーブ語録を見た
そこには
「私の欠点は美し過ぎることなの」
と書いてあった
美し過ぎても欠点になるのかと
外見に悩む事自体馬鹿馬鹿しくなったのである
気にしたからってどうなるものでもない
こう開き直る様になってから随分経つ
三段腹も下がったケツも重力には逆らえないのだ