東福寺の帰り道に感動的な建物があった
本町館と言う名前のポルノ映画館である
成人映画やアダルト映画ではなくまさしくポルノ映画館なのである
3本の只今上映中のポスターが貼ってあったが
私でも今から主演女優になれるのではないか
そんな自信を持たせてくれるポスターであった
ぶさいくで底値感漂う女性陣が恍惚の表情でこちらを見ている
入り口はコチラと書いた古めかしい階段が横にあり
その建物の2階が映画館となっている
私が感動したのはその1階がデイケアセンターであったことだ
自動ドアの向こうに車椅子が見える
映画館の古さに対してこちらは新しく綺麗である
デイケアセンターが後から入ったのは間違いない
この所長はきっと老人の性を真っ先に考えたのではないだろうか
年を取ったら性欲も衰えると言うのは勝手な想像で
実は体が思うようにならない分だけ
発散出来ないその性欲は若者よりも多いかもしれない
そう思った所長は2階でそれを発散してもらい その後
疲れた体をケアをしてあげようじゃないかと考えたのではなかろうか
「きょうびの娘はあんなことされて喜ぶんかいのう」
「わしは千人切りのマサっちゅうて呼ばれてたんやで」
「若い頃は数えきれん程のおなごを喜ばしたもんや」
「ばあさんが生きてるうちにもっと喜ばしてやったら良かったと思うわ」
「おじいさんはものすごう過激なお人やったさかいに
あんな程度の映画ではわたいはもの足りまへんわ」
映画を見終わった老人と職員との会話を想像していると
「いつまでポスター見てんねん 雨降って来たで」と連れ合いに腕を引っ張られた