私は風呂が大嫌いなのでわざわざ温泉に行く人の気が知れない
聞くところによれば一日に何度も湯に浸かるらしい
私にすればお金を払って拷問を受けるようなもんだ
まず服を脱ぐのがとても面倒くさい
脱ぐと言うことは必然的にまた服を着なければならない
それを考えると憂鬱になる
それでも脱ぐ そして湯船に浸かる
湯船に浸かりながらこの後体と髪を洗う大仕事が待っているのか
と考えると尚更憂鬱になる
しかしいつまでも浸かっていると頭がくらくらしてくるから
湯船から出て大仕事をする
そしてその後また湯船に浸かり
こんなことを死ぬまで続けて行かなければならないのかと思うと
このまま溺れて死にたくなる 
が 風呂の中での死は知人の母が風呂で死んでうんこが一杯浮いて大変だった 
引き上げるのに往生したと言っていたのを思い出して
ここでは死ねないと我が身の不幸を呪う
生きるのも死ぬのも大変である